日本家庭科教育学会第50回大会のおしらせ(終了)
2007年度の大会は、50周年記念事業として開催されます。
 
【大会日程】
2007年 6月29日(金) 記念式典、シンポジウム、祝賀会
     6月30日(土) 研究発表、トークセッション、ワークショップ
     7月 1日(日) 研究発表、課題研究、ラウンドテーブル

【大会開催場所】
 (独立行政法人)国立オリンピック記念青少年総合センター

【記念事業の全体テーマ(案)】
 家庭科教育の継承と発展 ―くらしをみつめくらしを豊かにする学びを追求して―

【趣旨(案)】
 
日本家庭科教育学会は1958年6月に発足し、2007年6月に創立50周年を迎えます。
 創立当時は、戦後の新しい教育枠組みも定着し始め、理論と実践を結ぶ研究が盛んになり、各教科の学会が発足し始めた時期でした。戦後新たに設置された家庭科でも、様々な実践が蓄積され、それを理論的にとらえなおし、よりよい家庭科を創っていこうという機運が高揚し、それを受けて日本家庭科教育学会が発足しました。それ以後学会は、理論と実践をつなぐ研究を蓄積し、家庭科のよりよい発展をめざして活動をしてきました。
  この50年間の家庭科をめぐる状況は、必ずしも順風満帆ではなく、様々な課題が提起されてきました。学会は、会員の研究を通して、様々な意見を取り交わし、その解決の糸口をさぐって参りました。こうした討論の土台に、現場での家庭科の教育実践がありました。
 教育実践から見えてくる家庭科とは、子どもたちの生活実態にそって、何をどう教えるかを追求し、常にくらしをみつめくらしを豊かにする取り組みであったといえましょう。これらの教育実践をみすえ、本学会は、実践力のある生活能力、暮らしや地域をよりよく創造する力、あるいは主体的な生活者の育成に貢献してきました。
 現在、少子高齢化や生活力の低下、地球規模での環境破壊など、くらしの課題が山積し、食教育や親教育の重要性、人間力の回復や市民性の育成など、様々な教育課題が提示されています。こうした時代だからこそ、今改めて、家庭科が蓄積してきた学びの良さを確認し、その上にたって、時代の要請にあった家庭科教育のさらなる発展をめざしたいものです。
 この時代に創立50周年をむかえるにあたって、家庭科教育学会では、新たな時代の家庭科の幕開けへのひとつの契機になるよう、今問われている教育課題から家庭科をとらえ直し、家庭科の発展の方向を提示するために、「家庭科教育の継承と発展―くらしをみつめくらしを豊かにする学びを追求して―」をテーマとする記念事業を行うことといたしました。具体的には、記念式典、祝賀会を挙行する他、テーマにそった記念大会を開催して、講演会やシンポジウム、ラウンドテーブル、課題研究発表など新たな討議の場を設けるとともに、記念誌の発行、ブックレットシリーズの刊行、家庭科教育実践のデータベースの作成を行います。


【特別企画】


◆特別企画1 シンポジウム
多様な世代や、理論と実践などの多方面で活躍する4名に登壇頂き、これまでの家庭科教育を総括し、家庭科に科せられた現代の課題、家庭科の将来の発展を示す報告を行い、討議する。

◆特別企画2 トークセッション
「重松氏と語ろう ―家庭科ってここがおもしろい」
  スピーカー(予定) : 作家 重松 清氏
  リアクター(予定)  : 望月一枝(秋田大学)
  コメンテーター    :大学、現場から

◆特別企画3 課題研究

○男女で学ぶ生活―生きる力はどのように育成されるか−
 高等学校家庭科の男女必修化から12年。家庭科が育んできた力の成果と問題点を明らかにし、今後の家庭科を展望する。

○生活をつくる(作る・営む・創る)家庭科の学び-ブックレットシリーズを通じて何を伝えるか-」
 50周年記念出版ブックレットシリーズによって提案された、「生活スキル」で「作る」、「安心・安全(ウエルビーイング)」を「営る」、「シチズンシップ」を「創る」学びを読み解く。

○第3セッション 「家庭科教育における批判的思考スキルの育成」
  家庭科で育成する問題解決力や意思決定力、実践的な力の背景にある、批判的思考スキルを考察する

◆特別企画4 ラウンドテーブル
テーマ「子どもの生活実態からの授業作り−自らの授業を問い直す−」
 RT1 食の学びを再構築する−これまでとこれから−
 RT2 生活のスキルを育む−もの、人との関係を作る−
 RT3 授業研究のあり方を探る−子どもの変容に注目して−

◆特別企画5 ワークショップ
 WS1 フードマイレージを利用した食育
    講師:中田哲也氏(九州農政局消費安全部消費生活課課長)
 WS2 幼児と関わる技を磨く
    講師:未定
 WS3 体験的「参加型学習」入門〜理論から方法まで
   講師:NGO専属のファシリテーター

◆特別企画6 ポスターによる50年の学会活動史