会長あいさつ

会長からのご挨拶

日本家庭科教育学会 会長 堀内かおる(横浜国立大学)

 2021年7月3日の第64回日本家庭科教育学会総会にて新体制の理事会が発足し、私は2021年7月から2023年6月までの期間、会長を務めさせていただくことになりました。3名の副会長、6名の常任理事、13名の理事の皆様、そして事務局職員の皆様とともに、学会の運営に尽力してまいります。微力ではございますが、本学会の発展に向けて、全力で取り組む所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 本学会は、1958年6月に「家庭科教育に関する研究を推進し、あわせて会員相互の親睦、向上、連絡をはかること」(本学会会則)を目的として設立され、60余年の歴史を有する研究教育活動の蓄積がございます。この間に家庭科教育は、社会状況の変化に伴い、大きく推移してまいりました。1989年の学習指導要領改訂によって、中学校技術・家庭科における共通履修領域の設定、高等学校家庭科における家庭科の男女必修が制度化され、それ以前の女子のみ必修の教科から一転して、すべての児童生徒に必修の男女共同参画に資する教科となって、今日に至ります。ジェンダーを問わず、すべての人が自分らしく、人間らしい生活を創っていくために必要な誰もがよりよく生きるための自立と共生を目指す学びが、家庭科の学びなのです。

 近年のコロナ禍が続く日々は、私たちにとって、改めて家庭生活を見つめ直す機会にもなってきたように思います。家庭科で扱う生活課題は、今日の喫緊の課題であるSDGsとつながっており、家庭科では生活者の立場から、グローバルな視野でよりよい市民としてどのように行動すべきかを考えます。今日の家庭科は、多様で不確実な時代を生き抜くための生き方学習といっても過言ではないでしょう。

 また、デジタル化の進展は授業の形を大きく変えつつあり、家庭科においても例外ではありません。ICTを活用した個別最適な学びをはじめとする教育の側面とともに、対面による協働の学びの大切さも踏まえながら、これからの授業を構想する必要があります。実践的・体験的教科という特長を持つ家庭科の本質とは何か、いま改めて問われているように思います。

 日本家庭科教育学会では、社会の変化や人々の生活実態と呼応し現在進行形で進化し続ける家庭科という教科の価値について、研究・教育活動を通して広く発信してまいります。本学会が、家庭科教育に関心をお寄せ下さるすべての方々に開かれた学会として、これからの生活に根差した学びの在り方を考え合う場となっていくことを願っています。

2022年度 学会活動方針ならびに事業計画

【活動方針】

  1. 研究活動の充実と公開
  2. 家庭科をめぐる諸問題への対応
  3. 学会組織の円滑な運営

【事業計画(活動方針との関係)】

  1. 大会・例会の開催(Ⅰ,Ⅱ)
  2. 学会誌等刊行物の発行(Ⅰ,Ⅱ)
  3. 家庭科の理論研究および実践研究の推進(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)
  4. 研究の奨励および研究業績の表彰(Ⅰ)
  5. 内外の関連学協会との連携および協力(Ⅰ,Ⅱ)
  6. 学会活動の目的を達成するために必要な事業(Ⅲ)

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