会長あいさつ

会長からのご挨拶

日本家庭科教育学会 会長 鈴木明子(元広島大学)

 2025年度第68回日本家庭科教育学会大会は、久々に対面で開催され、多くの会員の皆様と直接触れ合う機会となりました。会期中の総会において新しい運営体制が組織され、この度会長に就任いたしました。家庭科という教科にとって変革期とも言える今、責任の重大さを感じております。2年間、副会長、常任理事、理事、そして事務局の皆様と力を合わせて学会の運営にあたってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 情報技術の進展とグローバル化によって、私たちの生活は急速に変化しています。本学会では、その変化に対応しつつ、自立した生活主体を育むことを使命として、子どもたちのウェルビーイング実現のために何ができるのかを追求してきました。そのようなこれまでの活動を引継ぎ、子どもたちが自分の生活と向き合い、自分らしい生活を創造するための授業づくり、家庭科の独自性を発揮できるカリキュラムマネジメントの構想を具体的に追究していきたいと思います。そのためには、子どもたちだけではなく、教育実践者であり研究者である私たち自身が、生活者として主体的・積極的に他者や生活事象と関わり、多様な価値に触れて自分自身の生活のあり様を問うことが必要です。

 本学会は2027年に創立70周年を迎えます。その節目にあたり、これまでの学会活動の成果と課題を総括し、今後の学会運営の指針を改めて考えてまいりたいと思います。新しい学習指導要領の方向性も近々具体化されていくと見込まれます。本学会では2024年度から文部科学省への要望書を二度にわたり作成し提出してきました。その過程で中央教育審議会より中学校「技術・家庭」技術分野における情報教育充実の方向性が示され、家庭分野との分離にも言及がなされました。今後、教育課程の大幅な見直しが図られる可能性もありますが、私たちが家庭科の本質や独自性を明確にし、他教科や第三者にその学びの意義を積極的に伝え発信していく不断の努力が大切であると考えています。

 コロナ禍を経て本学会においてもオンライン会議や電子ジャーナル化が進み、便利なデータ処理システムの活用が可能となりましたが、それに伴って新たな課題も生まれています。それは、私たちが家庭科の授業実践の中で、またそれぞれの生活の中で、AIやデジタル化とどのように向き合っていくかという問いとも通底する課題と言えるでしょう。

 戦後80年を迎え、戦争の愚かさを語る現代人は、真に自律的な生活を送れていると言えるでしょうか。子どもたちのウェルビーイングを支える家庭科教育のあり方を、皆様とともに真摯に考え続けたいと思います。会員の皆様には忌憚のないご意見をお寄せいただきますようお願い申し上げます。

2025年度 学会活動方針ならびに事業計画

【活動方針】

  1. 研究活動の充実と公開
  2. 家庭科をめぐる諸問題への対応
  3. 学会組織の円滑な運営

【事業計画(活動方針との関係)】

  1. 大会・例会の開催(Ⅰ,Ⅱ)
  2. 学会誌等刊行物の発行(Ⅰ,Ⅱ)
  3. 家庭科の理論研究および実践研究の推進(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)
  4. 研究の奨励および研究業績の表彰(Ⅰ)
  5. 内外の関連学協会との連携および協力(Ⅰ,Ⅱ)
  6. 学会活動の目的を達成するために必要な事業(Ⅲ)

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